2025.10.02
【コラム】なぜ今、大学訪問が理系採用のカギなのか?
「学生が集まらない」「説明会に来ない」「辞退が続く」
これは、私自身が採用担当者の頃に何度も直面した悩みです。
忙しい日々の中で“今やっていることは本当に正解なのか”と自問しながら走り続けていました。
そんな中で取り組んだのが「大学訪問」でした。
教授やキャリアセンターを一つひとつ訪ね、研究内容や学生の就職状況を聞かせていただく。
その積み重ねが少しずつ学生との接点につながり、やがて安定した採用ルートへと成長していったのです。
💡 理系採用市場の現実
現在、理工系学生の採用市場は年々厳しさを増しています。
リクルートワークス研究所の「大卒求人倍率調査」では、主に理工系学生の採用を行う製造業および中小企業の求人倍率は直近で上昇。
中小企業にとって優秀な理系学生を確保する難易度は依然として高い状況です。
(参考:リクルートワークス研究所『大卒求人倍率調査』)。
母集団を確保できない企業ほど、内定辞退や採用計画の未達に悩まされやすくなります。
だからこそ「大学ネットワークの構築」は欠かせないのです。

🎓 大学訪問の意義
大学訪問は、短期的に成果が見える施策ではありません。
ですが、教授やキャリアセンターと長期的に関係を築いていくと、
「来年も学生を紹介したい」「この研究室の学生が御社に合いそうだ」
という安定したルートにつながっていきます。
私自身も、最初の訪問では大きな手応えを感じられず、「本当に意味があるのだろうか」と自問自答することがありました。
教授との会話も形式的に終わってしまい、学生と直接つながるイメージも持てず、
成果の見えない取り組みを続けることに不安を覚えたのです。
それでもあきらめずに訪問を重ねる中で、少しずつ大学側の対応が変わっていきました。
研究室の活動や学生の進路について詳しく教えていただけるようになり、
やがて、「来年度はこの研究室の学生を紹介したい」と言っていただける関係性にまで発展しました。
こうして、学生をご紹介いただけるようになったり、学内説明会にご招待いただけるようになったとき、
「この大学とのつながりが、会社の採用を支えている」ことを実感することができました。
単発の施策ではなく、長期的な信頼の積み重ねが結果を生み出すことを学んだ瞬間でした。
🎯 大学訪問を採用成果につなげる5つのポイント
01、継続して訪問すること
1回の訪問だけでは効果は見えにくいもの。数年単位でコンタクトを重ねることで、
大学側も「この企業は本気で学生と向き合っている」と感じ、信頼関係が生まれます。
02、訪問先の選定を丁寧に行うこと
自社にマッチする学部・専攻を持つ大学を見極めることが重要です。
規模よりも「研究内容」「教授のネットワーク」「地域との親和性」がカギになります。
03、双方向のメリットを意識すること
「学生を紹介してほしい」だけでなく、企業側からも最新の技術動向やキャリアの実例を共有すると、
大学にとっても学びや価値が生まれます。信頼はこうした相互性の中で育ちます。
04、情報の整理とフィードバックを徹底すること
訪問で得た学生情報・研究室情報は必ず社内で共有し、次年度の採用戦略に反映させることが大切です。
また、大学側に「ご紹介いただいた学生が入社しました」といった報告を行うと、関係がさらに深まります。
05、人事だけでなく現場社員も関わること
採用担当者だけでなく、技術者や若手社員が同行すると、学生にとって企業が身近に感じられます。
大学側からも「リアルな声を伝えてくれる会社」として評価され、紹介の機会が増えやすくなります。

🤝 つむぐラボの取り組み
こうした経験をもとに、当社では 「大学訪問サポート」 の提供を開始しました。
▼ 大学訪問サポートの流れ
・ 採用ターゲットに合った大学の選定
・ 教授、研究室、キャリアセンターとのアポイント調整
・ 訪問、面談の実施
・ 訪問レポートの提供
・ 今後の採用活動への活用提案
▼ 期待できる効果
・ 大学ネットワークを通じた理系学生との接点拡大
・ 採用広報の強化と認知度向上
・ 中長期的に安定した採用ルートの構築
・ 人事リソース不足の解消
忙しい採用担当者の皆さまと一緒に動くことで、学生との出会いの機会を増やし、採用の基盤を強化していきます。
本サービスについての詳細は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
📞 048-400-0415
✉️ hirayama@tsumugulab.com
🌐 お問い合わせフォーム
✅ セミナーのご案内
大学訪問の具体的な進め方や、理系学生に届く情報発信のポイントについては、10月22日、10月30日のセミナーで詳しく解説します。
本セミナーでは、最新の理系学生の動向をデータと実例を交えながら紹介し、
母集団形成・説明会参加率の改善・内定辞退の防止といったテーマを取り上げます。
さらに、参加者の皆さまご自身の採用課題を整理する個人ワークや、他社事例からヒントを得る共有セッションも実施予定です。
現場で「明日からすぐに実践できる」具体策をお持ち帰りいただける構成にしています。
今回のセミナーが、採用に課題を感じている企業様にとって、次の一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
ぜひお気軽にお申し込みください。

採用がうまくいかない理由は、決して「学生がいないから」ではありません。
大手企業に比べて認知度やリソースが限られる中小企業にとって、本当に必要なのは
「学生と出会う接点を増やすこと」 と、「その魅力を今の学生に合った形で伝えること」 です。
大学訪問は、その接点を生み出し、関係性を育てていく最も有効な手段のひとつ。
短期的には目に見える成果が得られないかもしれませんが。教授やキャリアセンターとの信頼関係を
丁寧に積み重ねていくことは、決して無駄にはなりません。
そのつながりは年月を経て確かな基盤となり、やがては企業の採用活動を安定的に支える“揺るぎない採用ルート”へと育っていきます。
これからの不透明で変化の激しい時代、企業の成長を支えるのは「人材」の力だと思っています。
つむぐラボは、現場に寄り添いながら“理系学生に選ばれる企業”づくりのために尽力してまいります。